【2月1日 AFP】第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)開催国のアラブ首長国連邦(UAE)のサッカー協会(UAEFA)は31日、2月1日に行われる決勝で日本と対戦するカタール代表選手2人の出場資格について異議を申し立てた。アジア・サッカー連盟(AFC)はこの日、AFPの取材に対し、この問題に関して調査を進めていることを認めた。

 AFCに抗議することを決めたUAEは、2022年W杯(2022 World Cup)の開催国であるカタールに0-4で大敗した準決勝で、自国ファンが相手選手に対してボトルや靴を投げ入れるなどの騒動に直面した。エネルギー資源に恵まれている小国カタールは現在、湾岸諸国から長期間にわたり国交断絶状態にあり、こうした問題を背景にUAEの観客から敵対行為を受けた。

 報道によると、出場資格に関する問題が指摘されている選手は、アジアカップで歴代最多記録タイの大会8得点を挙げているスーダン系の22歳アルモエズ・アリ(Almoez Ali)と、イラク出身の21歳バッサム・アルラウィ(Bassam Alrawi)となっている。

 AFCの広報担当者はAFPに対して、「カタールの選手2人の出場資格に関して、AFCはUAEのサッカー協会から抗議を受けている」「この申し立てについては、AFCの規則と照らし合わせて調査が進められている」と述べた。

 カタールは、AFCの規律倫理コードに基づいて試合の没収を余儀なくされることに加え、罰金の支払いを命じられる可能性がある。大会後に無資格であることが発覚した場合、AFCには違反したチームを今後の大会から除外する権限があることも書面に明記されている。

 アジアカップで史上初の決勝進出を果たしたカタールを率いるフェリックス・サンチェス(Felix Sanchez)監督は、会見で司会者がこの件に関する質問を遮れなかった中で、「まったく心配していない」と述べ、何の問題もないという認識を示した。

「選手全員がわれわれと一緒に練習しているから、何の心配もしていない」「われわれは(ホテルで)非常に隔離された状態にあり、外での議論は関知していない」「このチームには余計なモチベーションは必要ない。アジアカップ決勝でプレーするための士気は十分だ」

 アジアカップでは、2015年大会でもイランがイラクの選手に対して出場資格に関する同様の抗議を行っていたが、AFCに退けられた。(c)AFP