【1月28日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による残虐行為の標的となったことで知られるヤジディー(Yazidi)教徒を長年率いた指導者が、長期にわたる闘病の末ドイツの病院で死去した。85歳だった。当局が28日、明らかにした。

 イラク・クルド地域政府のヤジディー担当部門のトップによると、タウシーン・サイド・アリ(Tahseen Said Ali)首長は、独ハノーバー(Hanover)の病院で死去した。

 1933年にイラク北西部シェイクハン(Sheikhan)地区に生まれたタウシーン首長は、前任者である父親の死後、11歳の時にヤジディー教徒の首長に任命された後、海外では最大のヤジディー教徒のコミュ二ティーがあるドイツに移った。

 ヤジディー教徒でイラク連邦議会のビアン・ダクヒル(Vian Dakhil)議員はAFPに対し、同首長はイラク北部のクルド人地域に埋葬される予定で、死去する前に息子を後継者に任命したという。

 4000年以上も前にイランで興ったヤジディーの信仰はゾロアスター教にルーツを持ち、その後イスラム教やキリスト教の要素を取り込んだ。(c)AFP