【1月28日 AFP】自動車耐久レースのデイトナ24時間(2019 Rolex 24 At DAYTONA)が、26日から27日にかけて米フロリダ州マイアミで開催され、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で2度の総合優勝を誇るフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)や、小林可夢偉(Kamui Kobayashi)の乗車したウェイン・テイラー・レーシング(Wayne Taylor Racing)のキャデラックDPi-V.R.(Cadillac DPi-V.R.)10号車が雨のレースを制して優勝を飾った。

 F1通算32勝、そして2005年と2006年の総合優勝の実績に、米国伝統の耐久レースのタイトルを加えた37歳のアロンソは、「信じられない。テストからとにかく信じられない経験だったし、完璧なレース運びだった」「僕らはあらゆる面で戦える状態にあった。ドライでもウエットでも、昼も夜もね」とコメントした。

 アロンソは2018年もデイトナに挑戦して耐久レース初出場を果たしたが、そのときはマシントラブルに見舞われて総合38位。しかし、同6月の第86回ルマン24時間耐久レース(Le Mans 24 Hour Race 2018)を制すと、今大会は自ら優勝マシンをビクトリーレーンに入れ、スペイン国旗を肩にかけて勝利を喜ぶことができた。

 アロンソは、この優勝が自分にとってどのくらい価値のあるタイトルかを考えながら、「かなり上の方に位置するタイトルだと思っている。デイトナのような象徴的な場所で耐久レースを優勝できたのは素晴らしい。長く挑戦してきたわけではないが、正しいときに正しい場所にいることができたし、それがとてもうれしい」と話している。

 また、チームメートの小林とジョーダン・テイラー(Jordan Taylor)そしてレンヘル・ヴァン・デル・ザンデ(Renger van der Zande)に対しても「みんながいてくれて本当に良かった」と話した。

 26日の午後にスタートした決勝レースを6番手で走り出した10号車は、アロンソの活躍で早めにトップに立つと、深夜を担当した小林もその位置をキープ。しかし同時に、コースは27日の未明に振りだした雨の影響で各車がスリップし、水が跳ねる危険なコンディションとなった。

 決定的だったのは27日午前、雨の中で先頭を走っていたフェリペ・ナスル(Felipe Nasr)のマシンがコーナーでコースアウトしたのに対し、これを追い抜いたアロンソが落ち着いてトップを維持したことだった。レースはその後、雨による前代未聞の2回目の赤旗中断が入ると、そのまま本来の終了時間より10分早い午後2時25分、コンディション悪化を考慮してチェッカーフラッグが振られた。これにより、アロンソのルマンに続く耐久レース2勝目が確定した。

 アロンソは過去にグラハム・ヒル(Graham Hill)氏しか達成していない、F1のモナコGP(Monaco Grand Prix)とルマン、そしてインディカーシリーズのインディアナポリス500(Indianapolis 500)という世界三大レース全制覇を目指している。

 今後は3月15日にセブリング12時間(2019 1000 Miles of Sebring)、5月4日にスパ・フランコルシャン6時間(2019 6 Hours of Spa)に出場した後、同26日にインディ500に出走。耐久レースシーズンのフィナーレを飾る6月のルマンでシーズンを締めくくることを予定している。(c)AFP