【1月25日 AFP】韓国気象庁(KMA)は25日、黄海(Yellow Sea)上で飛行機を用いて人工的に雨を降らせ、大気汚染の改善に効果があるかを確認する実験を行った。韓国では、大気汚染の原因は中国から飛んできた微小粒子状物質(PM2.5)だと非難する人が多い。

 韓国の大気汚染状況は概して、世界最大の環境汚染国として悪名高い中国ほどはひどくない。だが、韓国で「超微細粉塵(チョミセモンジ)」と呼ばれるPM2.5が季節風に乗って黄海上空から飛んでくると、大気汚染レベルが急上昇することがある。

 今月、3日間にわたって大気汚染が急激に悪化した際には、多くの韓国人が中国のせいだと非難した。

 KMAは25日、黄海上空に飛行機でヨウ化銀を散布する人工降雨実験を実施した。KMA広報によると、人工降雨がPM2.5を洗い流すのに効果的かどうかを確認するのが実験の目的だ。年内に15回行う予定で、今回が1回目。

 KMA広報は、黄海上空の大気に含まれるPM2.5の全てが中国から飛来したものだとの証拠は確認できていないとしている。しかし、与党議員の指摘によれば、2週間前に大気汚染レベルが上昇した際、国内でどこよりも汚染がひどかったのは中国に最も近い白翎島(Baengnyeong Island)だったという。

 飛行機を使って人工的に雨を降らせる大気汚染対策は、タイも今月行っている。(c)AFP