【1月25日 AFP】スーダン各地で24日、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領の辞任を求めるデモが行われた。首都ハルツームに隣接するオムドゥルマン(Omdurman)市では数百人規模のデモがあり、少なくとも1人が死亡した。

 一連の抗議デモの暴力行為に関する検察調査委員会のアメル・イブラヒム(Amer Ibrahim)委員長は報道陣に対し、オムドゥルマン市でデモ参加者1人の死亡を確認し調査していると語ったが、詳しい死亡状況は明らかにしなかった。

 政府がパンの価格を3倍に引き上げたことをきっかけに昨年12月19日に複数の州で始まった抗議運動は全国的な反政府デモに発展。一連のデモによるこれまでの死者について、イブラヒム委員長は29人と述べたが、人権団体は40人以上としている。

「自由、平和、正義」と叫ぶデモ隊に政府側は催涙弾も使って対応し、国際社会から批判を浴びている。米国はスーダンと米国の関係改善の動きに悪影響が出かねないと警告した。

 バシル氏は1989年、民族イスラム戦線(NIF)と連携して無血クーデターで実権を握り、93年に大統領に就任した。各地で規模を拡大する反政府デモは、バシル氏の独裁的な統治にとって最大の脅威だとみられている。

 映像は、デモ参加者と警察の衝突。首都ハルツームで24日撮影。(c)AFP