【1月25日 AFP】ウクライナの裁判所は24日、同国の前大統領、ビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)被告(68)に対し、国家反逆罪により禁錮13年の判決を下した。判決の言い渡しは被告不在のまま行われた。裁判所は、前大統領はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)ロシア大統領にウクライナへの派兵を要請したと認定した。

 また、裁判所は「ウクライナへの侵略戦争遂行における共謀」も認定し、刑期は被告が「拘束された時点」から起算するとした。

 ヤヌコビッチ被告は出廷しなかった。同被告は現在、ロシアに住んでいるものと考えられている。

 上記のほかにも、被告は不当な権力の奪取やデモ隊への武力行使など多くの容疑で刑事捜査の対象となっている。

 ロシアを後ろ盾とするヤヌコビッチ被告は、大統領在任中の2013年末、ウクライナと欧州連合(EU)の関係を緊密化させる内容の連合協定への署名を土壇場で拒否。大規模な抗議行動を引き起こした。

 2014年には、キエフの象徴である独立広場(Independence Square)、通称「マイダン(Maidan)」で機動隊による取り締まりの際に衝突が発生し、100人余りが死亡した。

 その後、被告はウクライナから逃亡。プーチン氏は、ロシア政府が被告を国外に逃亡させる特殊作戦を計画したことを明らかにした。

 同年、ロシアはクリミア(Crimea)半島をウクライナから併合し、ウクライナ東部のロシア語圏の反政府勢力を支援した。(c)AFP/Oleksandr SAVOCHENKO, Olga SHYLENKO