【1月24日 AFP】在任中に政治的動機に基づき殺人を命じたとして禁錮25年の有罪判決を受け、健康問題を理由に人道的恩赦を与えられていたペルーのアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領が23日、再収監を目前に「独房へ戻ることは緩やかだが確実な死刑」だと訴えた。

 ペルー最高裁が昨年10月、フジモリ氏の人道に対する罪への恩赦を取り消し、再収監を命じる決定を下していた。

 先週の検査で再収監可能と判断されたフジモリ氏は、警察特殊部隊本部に特別に用意された独房へ間もなく移送され、残りの刑期13年を務めることになる。再収監を前にフジモリ氏は、首都リマの病院からAFPに宛てた手書きの声明で「最期が近いと感じている」と心情を明かした。

 フジモリ氏は10年以上にわたる過去の独房生活でも、健康面については継続的に看護を受けて服役してきたが、今後もし心臓に問題が生じれば、入院中に比べて「はるかに深刻で不安定な状況になる」と指摘。「したがって、独房へ戻ることは緩やかだが確実な死刑だ」と訴えた。

 日系2世のフジモリ氏はフランスと米国で学んだ農学者・数学者で、1990~2000年にペルー大統領を務めた。しかし、任期中の1991~92年に暗殺部隊が実行した大量虐殺2件を命令したとして有罪判決を受け、禁錮25年の刑期のうち12年を終えた2017年12月、大統領令による恩赦を受けていた。(c)AFP