【1月24日 AFP】ロシアは23日、米国が中距離核戦力(INF)全廃条約違反だと主張している地上発射型巡行ミサイル「9M729」を公開した。米国の批判に反発し、INF条約の存続を目指す狙いがある。

 INF全廃条約をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は同条約からの離脱も辞さないと警告している。米政府は昨年12月、ロシアが60日以内に9M729を解体しなければ米国の正式な離脱に向けた半年間の手続きに入ると述べていた。この期限の最終日は2月2日となっている。

 ロシア政府はこれまで、9M729が条約に違反していないとの主張を繰り返してきた。この主張を裏付けるため、23日、首都モスクワ郊外のクビンカ(Kubinka)にある軍事テーマパーク「パトリオットパーク(Patriot Park)」で、海外の報道陣や軍事関係者に対し9M729を公開した。

 ロシア当局関係者は条約で放棄の対象となっているのは射程500~5500キロのミサイルで、9M729は条約違反に当たらないと主張した。

 砲兵隊・ミサイル部隊担当の軍高官は、9M729は9M728の改造型で、最大射程は480キロだと述べた。最大射程について、製造段階でロケット部分に注入される燃料の量によって決定されるとし、軍が変更を加えることはできないと説明した。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO