【2月24日 AFP】イラク・モスル(Mosul)では3年間、女性は頭頂部からつま先までを黒い布で覆い、男性は顎ひげを伸ばすよう強要されていた。美容院は閉鎖され、美容整形手術は犯罪だと考えられていた。

 だが、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の駆逐から1年以上経過した今、モスルの美容整形外科や美容院が営業を再開している。

 ISがイラク北部の大半を支配していた2014年、モスルはISの重要拠点だった。ISの宗教警察は、すべての住民に対して極めて厳格な服装規定を課し、女性には肌の露出がないこと、男性には裾の細いくるぶし丈のズボンを履き、顎ひげを伸ばすことを徹底させた。

 だが、その後モスルはがらりと変わった。

 昨年の夏、イラク治安部隊によって奪還されて以降、5軒の美容クリニックがオープン。男性を中心に客が次々と訪れ、クリニック側は対応するのがやっとだ。こうした美容クリニックでは、ボトックス注射や痩身(そうしん)術、皮膚の手術などが行われている。

 ある美容師はAFPの取材に、「モスルの住民はISの支配や相次ぐ衝突でストレスや汚染にさらされ、髪の毛や皮膚にトラブルを抱えている」と語った。(c)AFP/Raad al-Jammas