【1月21日 AFP】曲がった背中をさらにかがめるアフガニスタンのガラス吹き職人グラム・サーキ(Ghulam Sakhi)さん。溶けたガラスを巧みに吹き、くるくると回して、微細な青や緑のゴブレットや花瓶を作り出す。何世代にもわたって引き継がれてきた手工芸だが、今や風前のともしびだ。

 サーキさんは、アフガニスタン西部の街ヘラート(Herat)の名を冠したヘラートガラスの最後の職人の一人だ。れんがにトタン屋根の工房で仕事をするのは、月にわずか数日間のみ。需要が少ないためだ。

「芸術は大事にされない」と語るサーキさんは、実際の年齢である40代半ばよりもずっと老けて見える。ガラス吹き工だった父親について働き始めたのは、7歳のときだった。

 脇で一緒に働く長男のハビブラさんが、青や緑に着色するための銅や鉄の粉を混ぜたガラス片をかき上げ、炉の中で泡立つ融解液の容器に入れる。サーキさんが使っている道具と技法は、何世代にもわたりほとんど変わっていない。一族は200~300年にわたりヘラートガラスを製作してきたというが、サーキさんは「次の世代には続かないだろう」と語った。