【1月21日 AFP】急病人搬送のためカナダの空港に緊急着陸した米ユナイテッド航空(United Airlines)の旅客機が、機械をめぐる問題のため離陸できなくなり、外の気温氷点下30度という極寒の状況の中、ほとんど暖房が利いていない機内に乗客が16時間近く缶詰め状態となるトラブルがあった。カナダ公共放送CBCが報じた。離陸できなかった原因は、あまりの寒さのためドアが凍り付いてしまったからともいわれている。

 トラブルに見舞われたのはユナイテッド航空179便。同便は19日、乗客およそ250人を乗せ米ニュージャージー州のニューアーク空港(Newark Liberty International Airport)を出発し、香港へ向かった。

 同航空がCBCに明らかにしたところによると、フライト中に乗客男性が体調を崩し、179便はカナダ東部ニューファンドランド・ラブラドル(Newfoundland and Labrador)州グースベイ(Goose Bay)の空港に緊急着陸。男性は病院に搬送されたものの、同機は機械のトラブルで離陸できなくなってしまった。さらに空港に夜勤の税関職員がおらず、乗客は薄い毛布にくるまって機内待機を余儀なくされた。

 コーヒーやドーナツの差し入れはあったというが、取材に応じたある乗客によると、怒り心頭に発した乗客たちをなだめるには不十分なものだったという。

 結局、乗客たちは20日午前に到着した別便に乗り換え、出発地のニューアークへと引き返した。(c)AFP