【1月19日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で今月初め、仏教徒であるラカイン人の武装集団が警察署を襲撃し警官13人を殺害した事件を受け、同国軍は18日、報復攻撃により戦闘員13人を殺害したと発表した。

 ラカイン州ではここ数週間、ラカイン人の自治権拡大を要求する武装集団「アラカン軍(AA)」と治安部隊との戦いが新たな段階を迎えている。

 AAはミャンマーの独立記念日である1月4日の早朝、警察署を襲撃し警官13人を殺害、9人を負傷させた。その後、軍が介入して武力抗争を招き、多数の人々が避難を余儀なくされた。

 反撃に出た軍は今月5日から16日にかけての軍事作戦で、AAによる襲撃の犠牲者と同数となる計13人のAA戦闘員を殺害した。

 ミャンマー軍のトゥン・トゥン・ニー(Tun Tun Nyi)少将は首都ネピドーで、異例の記者会見に臨み、「敵の遺体13体を収容し、武器を3つ押収した」と明かし、「われわれの側では将校や兵士らが複数犠牲となった」と述べたものの、数は明らかにしなかった。

 同州では2017年8月、ミャンマー軍がイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)への弾圧を開始。国連が民族浄化とみなす軍の行動により、72万人以上のロヒンギャが隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされた。

 ミャンマー軍にとってAAは、ロヒンギャの武装集団よりも強敵で、これまで軍が払った犠牲者数も、より多いとされる。

 ラカイン人やロヒンギャ人の他にも複数の少数民族が存在し、複雑な民族構成を持つラカイン州は、民族間の抗争で分裂傾向に拍車が掛かっている。(c)AFP