【1月9日 AFP】ドイツ北部ブレーメン(Bremen)で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の連邦議会議員が襲われ、重傷を負う事件があった。警察は政治的な動機に基づく犯行とみており、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相らは8日、襲撃を強く非難した。

 襲撃に遭ったのは、AfDのブレーメン支部代表を務めるフランク・マグニッツ(Frank Magnitz)議員。警察によると7日午後、市中心部で襲撃された。

 AfDによると、覆面をした男3人から木材で殴られて意識を失い、地面にけり倒された。現場に居合わせた建設作業員が止めに入ったという。

 AfDは、額に裂傷を負い、腫れ上がった顔から血を流している入院中のマグニッツ氏の写真を公開。「ドイツの民主主義にとって暗い日になった」と述べている。

 今回の事件は、ドイツで政治的な緊張が高まっている状況を浮き彫りにした。

 メルケル首相の報道官はツイッター(Twitter)に、この「野蛮な襲撃」は厳しく非難されるべきだと投稿。警察が犯人を迅速に逮捕するよう望むと書き込んだ。

 ハイコ・マース(Heiko Maas)外相も、政治的な立場に違いがあっても、暴力に訴えることは絶対に正当化できないと指摘。「こうした犯罪をした者は処罰されなければならない」と批判した。(c)AFP