【1月7日 AFP】(更新、写真追加)アフリカ中部ガボンで7日、軍の兵士らによるクーデター未遂があった。同国当局は首謀者の身柄を拘束し、部下2人を殺害した。

 同国のアリ・ボンゴ・オンディンバ(Ali Bongo Ondimba)大統領は昨年に脳卒中を起こし、現在は療養のためモロッコに滞在している。兵士らは同日早朝、首都リーブルビル中心部にある国営ラジオ局に押し入り、国民に向けた放送で「蜂起」を呼び掛けた。

 ラジオ放送があった午前6時30分(日本時間同日午後2時30分)ごろ、国営テレビ局周辺では銃声が響いた。大統領府によると、ラジオ局に治安部隊が突入し、クーデター未遂を起こした司令官を拘束し、その部下2人を殺害、人質となっていた職員らを解放。大統領府は、事態は収拾されたと発表した。

 声明を読み上げた人物は共和国警護隊の副司令官と自称し、「ガボン防衛治安部隊愛国青年運動(Patriotic Youth Movement of the Gabonese Defence and Security Forces)」というグループのトップだと名乗った。ソーシャルメディアに流出し、AFPが信ぴょう性を確認した動画には、共和国警護隊の緑色のベレー帽をかぶった兵士3人が映っている。

 この人物は「われわれは祖国を見捨てることはできない」と宣言。「ガボンを混沌から救うために、軍がついに国民の側につくことを決意する待望の日がやって来た」と続け、「飲食をやめ、起床し、隣人を起こし、街路を制圧せよ」としてガボン全土の公共の建物や空港を占拠するよう人々に呼び掛けた。

 石油資源の豊富なガボンは、50年にわたってボンゴ大統領の一族が支配している。父親の死後、2009年に就任した現大統領は、暴動の発生や不正などで支持率が下がり、2016年の大統領選では僅差で再選された。(c)AFP