【1月7日 AFP】6日にオーストリア・ビショフスホーフェン(Bischofshofen)で行われた2018-19スキージャンプW杯で、小林陵侑(Ryoyu Kobayashi)が日本勢としては史上初、通算でも3人目となる4戦全勝で伝統のジャンプ週間(Vierschanzentournee)総合優勝を果たした。

 昨季までジャンプ界で目立たない存在だった小林は、趣味のDJやパワフルな車への情熱の方が知られていた。

 しかし、フィンランド人コーチのヤンネ・バータイネン(Janne Vaatainen)氏に師事する中、W杯未勝利だった小林は今季生まれ変わり、11戦を終えて8勝を挙げている。

 バータイネン氏は「ポルシェ(Porsche)の運転よりもしなければならないことがあると気づいたときに、リョウユウはいい選手になった」と話す。

「私はもっとトレーニングさせようとしているが、これまでのところ彼はそれを気に入っていないよ。彼は人生をエンジョイしている。何をするときでも彼は無邪気な笑みを浮かべているんだ」

 バータイネン氏のアドバイスは小林の耳にまったく届いていないわけではない。

 昨年大みそかの夜に日本チームは10時にベッドに入り、小林は夜中には深い眠りについていた。翌1月1日、小林はドイツのガルミッシュパルテンキルヘン(Garmisch-Partenkirchen)で行われたジャンプ週間第2戦で優勝。この試合のドイツのテレビ視聴者数は665万人だった。

 ドイツのヴェルナー・シュスター(Werner Schuster)コーチは、これまで欧州勢が独占してきたスキージャンプにおいて、小林は突然インパクトを与える能力を備えていたという。

「彼がいつか自分のポテンシャルに気がつくことは分かっていた」

 また、ジャンプ週間で小林に次ぐ2位に入ったマルクス・アイゼンビヒラー(Markus Eisenbichler、ドイツ)は、「彼は桁外れだよ。認めないわけにはいかないし、そこにジェラシーは湧かない」と話している。(c)AFP