【1月6日 AFP】ハンガリーの首都ブダペストで5日、保守派のナショナリストであるオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相に対する抗議デモが行われ、約6000人が参加した。同国では昨年12月に成立した改正労働法について、「奴隷法」と呼んで反対する人々がデモを繰り広げている。

 12月16日にブダペスト中心部で約1万5000人が集結してピークに達した一連の抗議デモの参加者数は今回、年明け後に再び盛り上がりを期待し、数万人の動員をもくろんだ野党と労働組合らの予想をはるかに下回るものとなった。

 12月12日に可決された改正労働法は、雇用主が要求できる残業上限を年間250時間から400時間に引き上げるほか、残業手当の支払いを最大3年延長できるようにするもの。

 政府は、人員不足に苦しむ雇用主に必要な法改正で、長時間勤務を希望する労働者にも恩恵をもたらすと主張している。

 またこれとは別に野党各党は、司法の独立を脅かしかねないとする最近の諸改革の撤廃も要求。さらには政府の広報機関と化したと野党が批判する公共メディアへの、より広範な自由を求めている。

 この抗議活動では、対立の絶えない野党各党らが団結し、組合も水面下でこの動きを支援。同法が撤廃されない場合、ゼネストの実施も辞さない構えをみせていたた。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を敬愛するオルバン首相について、昨年4月に3期目の首相再選を果たして以降、同首相に批判的な人々は、「狭量な民主主義」をもたらす諸改革の実現を追求していると評している。(c)AFP