【1月2日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は1日、ロシアがモスクワにある反ドーピング研究所のデータを期限となっていた昨年末までに提出しなかったことを明かした。これにより、同国は新たな制裁を受ける可能性が出てきた。

 WADAのクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長は「元モスクワ研究所からのデータの抽出が、合意した日までに完了しなかったことは甚だ遺憾である」とコメントしている。

 WADAは今月14日と15日に開かれる第三者グループのコンプライアンス審査委員会(CRC)で、次の措置を検討するとしている。

 国家ぐるみのドーピングによりロシア反ドーピング機関(RUSADA)に科されていた資格停止処分が解除された昨年9月、同12月31日までにデータを提出することが決められていた。

 WADAは先月、モスクワに代表団を送り込んだものの、必要なデータを完全に入手することができなかった。

 RUSADAのユーリ・ガヌス(Yury Ganus)事務局長は先月27日、ロシアが新たな制裁危機に直面して「奈落の底に落ちる寸前だ」と訴え、モスクワの研究所のデータにWADAがアクセスする権限を与えるようウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に申し入れていたが、RUSADAが新たな制裁を懸念していることに関して、クレムリン(ロシア大統領府、Kremlin)は「根拠がない」という認識を示している。(c)AFP