【12月31日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は31日、新年に向けた国民への演説で、「われわれの信念のため、断固たる態度で臨み、訴え、闘う」必要があると述べ、多国間協調主義への風当たりが強まる中、ドイツはこれまで以上の責任を負わなければならないと訴えた。

 31日午後に全文が放送予定の演説の中でメルケル氏は、長らく確固とした信念とされてきた国際協調の真価が問われていると述べ、気候変動や移民問題、テロとの戦いといった世界規模の課題は、孤立主義に進む国々には解決できないだろうとくぎを刺した。

 メルケル氏は、「ドイツの国益のためにも、こうしたすべての問題の解決を望む。そして、他国の利益も考慮に入れた場合、わが国なら最善を尽くせる」と述べ、「これは前世紀の2度の世界大戦から得た教訓だ」と語った。

 しかしながら、「国際協調という確実性が圧力を受けつつある」と警鐘を鳴らし、「ドイツの国益のために、より多くの責任を引き受けなければならない」と続けた。

 メルケル氏はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を名指しはしなかったものの、多国間協調主義を批判するトランプ氏をこれまでにもけん制してきた。(c)AFP