【12月30日 AFP】モロッコのテロ対策を担う治安機関、中央司法捜査局(BCIJ)は29日、同国南部の高アトラス(High Atlas)山脈で北欧出身の女性観光客2人が殺害された事件で、同国在住のスイス人の男を逮捕したと明らかにした。

 BCIJによると、スペイン国籍も持っているこの男は同日、モロッコ西部のマラケシュ(Marrakesh)で逮捕された。「イスラム過激派のイデオロギー」を信奉しており、すでに逮捕されている他の容疑者らの一部に新しいテクノロジーを使ったコミュニケーション方法や射撃の訓練をしていたという。

 BCIJは、この男が「モロッコ国内でテロ計画を実行するため、モロッコ人およびサハラ砂漠以南地域に住む人々のリクルートに関与していた」ことがこれまでの捜査で明らかになったとしている。

 今月17日、デンマークの学生ルイーサ・ベスタエア・イェスペルセン(Louisa Vesterager Jespersen)さん(24)とノルウェーのマーレン・ウーラン(Maren Ueland)さん(28)の遺体がマラケシュの南にある高アトラス山脈の観光地イムリル(Imlil)から10キロ離れたキャンプ場で発見された。同国捜査当局によると、2人は頭部を切断されていた。

 この事件では29日のスイス人の男の逮捕に先立ち、18人の容疑者が逮捕されていた。BCIJのアブデルハク・ヒアム(Abdelhak Khiam)長官は先週AFPに対し、マラケシュで逮捕された事件の主要容疑者4人がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のイデオロギーの影響を受けた「テロ細胞」に所属していたと述べていた。(c)AFP