【12月25日 AFP】(更新、図解追加)リビアの首都トリポリで25日、外務省庁舎が自爆犯らに襲撃され、当局によると少なくとも3人が死亡、10人が負傷した。同省は「テロリスト」が攻撃を実行したとしている。

 保健省によると、少なくとも3人が死亡、10人が負傷した。治安筋の情報によると、死者の一人は外務省の幹部職員だという。

 治安部隊の報道官は、庁舎付近で自動車爆弾が爆発し、治安部隊が現場に駆け付けたと説明。犯行はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」によるものと非難している。

 さらに同報道官によると、建物内で自爆犯1人が建物2階で爆弾を起爆し、もう一人の襲撃犯は所持していたスーツケースの爆発により死亡した。また武器を所持せず、防弾チョッキを着用していた3人目の襲撃犯は、屋外にいた治安部隊によって殺害された。

 外務省の庁舎からは煙が立ち上り、その外には救急車両や医療関係者、治安部隊が駆け付けた。

 これまでのところ犯行声明は出ていない。

 2011年に独裁者のムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が放逐・殺害されて以降、リビアは権力闘争により分裂するとともに、慢性的な政情不安によって弱体化しており、イスラム過激派の温床となっている。

 2015年にはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、同国の混乱に乗じて北部沿岸の都市シルト(Sirte)に拠点を築いた。

 国連が支援する首都トリポリのリビア統一政府(国民合意政府、GNA)系の部隊は2016年12月、8か月に及ぶ激しい戦闘の末、シルトを奪還した。

 それ以降、過激派勢力は再結集と組織の再建を目指し、砂漠地帯に戻っている。(c)AFP