【12月21日 AFP】モロッコ南部の高アトラス(High Atlas)山脈で北欧出身の女性観光客2人が殺害された事件で、同国当局は20日、逮捕された容疑者4人がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓っていたと明らかにした。

 捜査当局は同日、西部のマラケシュ(Marrakesh)で容疑者3人を逮捕した。

 事件をめぐっては、イスラム過激派組織の構成員とみられる容疑者1人が17日、被害者の遺体が同山脈で発見された数時間後にマラケシュの貧困地区で逮捕されており、当局が事件とイスラム過激主義との関連を調べていた。マラケシュは地域の主要都市で、外国人観光客が多く訪れる。

 同国検察当局は、容疑者らが犯行前の先週、ISに忠誠を誓う動画を撮影していたことを明らかにし、この動画が本物であることを確認した。

 殺害されたのはデンマーク人女性(24)とノルウェー人女性(28)。2人は友人同士で、同山脈の観光地の村イムリル(Imlil)から徒歩で2時間ほど離れた場所にテントを張って滞在していた。

 警察は1人目の容疑者の拘束以降、テロ事件の可能性に重点を置き、捜査を進めている。

 捜査関係者は19日、AFPに対し、「拘束された(1人目の)容疑者と手配中の3人の人物像から、イスラム過激派の筋は排除されていない」と説明したほか、女性らのうち1人が頭部を切断されていたことを明らかにしていた。

 捜査当局は、逮捕者のうちラシド・アファティ(Rachid Afatti)、ウアジアド・ユネス(Ouaziad Younes)、エジュード・アブデサマド(Ejjoud Abdessamad)の3容疑者の写真を公開した。(c)AFP/Hamza Mekouar and Sophie Pons