【12月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は20日、前日のシリアからの米軍撤退命令に関連し米国はもはや「中東の警官」ではなくなることを誓約した。米軍のシリア撤退に関しては、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が評価する一方、米同盟諸国は懸念を表明した。

 トランプ氏は19日、ツイッター(Twitter)で米国がシリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を打倒したと宣言。この予想外の発表に続き20日には、自らが世界最強軍隊の最高司令官であることを誇ると同時に、他国が戦いを主導すべきとの考えを示した。

 ツイッターに「USA(米国)は中東の警官になりたいのだろうか?尊い命や数兆ドル(数百兆円)を費やして他人を守っても何も得るものはなく、ほとんどの場合、われわれの行いは感謝されることもない。われわれは永遠に中東にいることを望むのだろうか?ついに他国が戦う時が来た」と書き込んだ。

 米国の撤退により、ロシアがシリア内戦に残る超大国となる。ロシアはシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援し空爆を展開している。

 プーチン氏は年末恒例の記者会見で米国の軍隊撤退の決定は「正しい」と述べ、ISに加えた打撃の程度については「総じて米大統領に同意する」と語った。

 一方フランスと英国はシリアでの駐留継続を確約し、ISを「打倒した」とのトランプ氏の主張と対照的に、戦いは終結から程遠いと警告した。(c)AFP/Shaun TANDON, with Valerie Leroux in Paris