【12月12日 AFP】英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相は11日、オランダのハーグ、独ベルリン、ベルギーのブリュッセルを電撃的に訪問し、EU側の首脳らと会談した。メイ首相は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)協定案の議会採決をめぐり苦境に陥っており、首脳らはメイ氏に同情的な態度を見せる一方、協定案の再協議には応じない姿勢を示した。

 メイ首相は英議会で、協定案に盛り込まれた「バックストップ(安全策)」条項をめぐって批判されている。バックストップ条項はアイルランド・英国間での厳格な国境管理を復活させないためのものだが、EUからの完全離脱を主張する強硬派は、同条項により英国がブレグジット後も長期間、EUの関税同盟に残る恐れがあると主張。

 メイ首相は、バックストップがあくまで一時的な措置であるとの確約を与えるよう欧州側に働き掛けると話していた。

 一方、欧州側の首脳らはメイ氏との会談で、何らかの形で協定案の解釈を明示することは可能だが、協定案自体はそのまま維持しなければならないとの立場を示した。

 ドナルド・トゥスク(Donald Tusk)EU大統領は、最新の状況について協議するため、英国を除くEU加盟27か国首脳の臨時会議を13日に招集した。13、14両日はEU首脳会議が予定されており、メイ首相も出席してこの問題について説明する。(c)AFP/Dave Clark with Dario Thuburn in London