【12月10日 AFP】インドネシア東部パプア(Papua)州のジャングルで多数の建設作業員が殺害された事件で、犯行に及んだとする反政府武装組織は7日、殺害したのは作業員の姿を装ったインドネシア軍兵士であり、正当な軍事標的だと主張した。

 この事件では少なくとも16人が殺害されており、現在も遺体の捜索が行われている。

 パプア独立派の反政府武装組織、西パプア民族解放軍(TPNPB)は、先週国営建設会社に雇われ働いていた約20人を殺害したと犯行声明を出している。

 同組織で広報を担当する人物は「彼ら(作業員)は変装したインドネシア軍兵士であり、われわれの敵だ」「これは戦争だ。殺すか、殺されるかだ」と語った。また「われわれも(隣国)パプアニューギニアのように独立を希望する」と訴えた。

 目撃者や軍の発表によると、作業員らの多くは後ろ手に縛られ、処刑されるかのように射殺された。逃げようとした作業員らは喉をかき切られ、ほぼ斬首された状態で発見された遺体もあったという。また事件の調査に携わっていたインドネシア軍兵士1人も殺害された。

 当局によると、武装勢力40~50人がジャングルへ逃げ込んでおり、軍が行方を追っている。

 パプアニューギニアとの国境沿いにある同州で暮らすパプア人の多くはインドネシアを、土地を占領している植民者だとみなしており、貧困にあえぐ同州のインフラ強化はインドネシア政府が支配を強めるための手段だと受け止めている。

 またインドネシアの治安部隊に対しては以前から、軍事力を乱用し、パプアの先住民であるメラネシア人の活動家や平和的な抗議行動の参加者らを超法規的に殺害している疑惑が持たれている。(c)AFP/Hasyim Kelirey