【12月11日 AFP】飢えでぐったりした子どもを抱えた親たちが、病院の裏口からほこりっぽい中庭まで診察待ちの列をつくっている。中央アフリカの首都バンギの小児科で目にするこの光景は、まるで戦闘地域のようだ。人々は内戦で荒廃したこの国で、飢餓という手ごわい敵とも向き合っている。

 病院の出入り口には、幼い少女が立っているが、その脚は骨ばかりになり、おなかは丸く膨らんでいる。その数メートル先にはもう一人、栄養不良の少女が素足で座っている。関節と肩甲骨が浮き出て、消えてしまいそうなほどやせこけた体に着た服はずり落ちそうになっている。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の広報担当官はAFPの取材に対し、「中央アフリカは世界で最も子どもにとって厳しい国の一つだ」と説明した。

 中央アフリカの子どもが危機的な状況に陥っていることは、統計でも明白だ。国連(UN)によると、中央アフリカの新生児死亡率は世界で最も高く、新生児の24人に1人が生後28日以内に死亡している。

 重度の栄養障害または低栄養の子どもの数は、2014年の3万2000人から、2018年末には4万3000人まで増加している。ユニセフによると、子どもの人口150万人の3人に2人が人道的支援を必要としている。

 国連世界食糧計画(WFP)は先月、中央アフリカは最悪の食料不足に陥っており、200万人近くに食料緊急援助が必要だと警告した。