【12月5日 AFP】(更新)トルコの検察当局は、イスタンブールのサウジアラビア総領事館内で同国出身のジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害された事件をめぐり、サウジのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の側近2人に対する逮捕状を請求した。

 捜査当局に近い筋が5日明らかにした情報によると、イスタンブール検察の主任検察官事務所は4日、カショギ氏殺害に関与した疑いで、アフマド・アシリ(Ahmad al-Assiri)容疑者とサウード・カハタニ(Saud al-Qahtani)容疑者の逮捕状を請求した。

 カショギ氏(59)は10月2日、結婚に必要な書類を受け取るためにイスタンブールのサウジ総領事館を訪れ、その直後に殺害された。

 アシリ容疑者はムハンマド皇太子とサウジを訪れる外国要人の密室会談に同席することが多く、カハタニ容疑者は同皇太子の主要顧問だった。カショギ氏が殺害されたことをサウジ政府が認めた後、両容疑者は解雇されていた。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、カショギ氏殺害の指示はサウジ政府の上層部から出されたと指摘。一方で、ムハンマド皇太子による指示ではないと主張している。

 サウジ政府はカショギ氏殺害事件に関連して、これまでに21人を拘束。絶大な権力を有するムハンマド皇太子が殺害を指示したのではないかとの臆測が広がる中、サウジ側は同皇太子の関与を強く否定している。

 匿名で取材に応じたトルコ当局幹部は5日、今回の逮捕状請求について、「サウジ当局がこれらの個人に対し、公式な法的措置を取ることはないとの見方を反映している」と説明した。(c)AFP