【12月2日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は1日、20か国・地域(G20)首脳会議のため訪れたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで首脳会談を行い、両国の本格的な貿易戦争突入を防ぐべく協議した。

 会談は、トランプ大統領が専用機エアフォースワン(Air Force One)に乗り込む直前に夕食会形式で2時間以上にわたって開催された。会談の内容について米中いずれもまだ声明を出していないが、同席した米国家経済会議(NEC)のラリー・クドロー(Larry Kudlow)委員長は「とても良かった」と報道陣に語った。

 会談で両首脳は楽観的な見方を示した。トランプ大統領は、「米中両国にとって素晴らしい結果になるだろう」と述べた。習主席は、「両国の協力によってのみ、両国の平和と繁栄を実現することができる」と述べ、解決策を見いだす非常に大きな責任を両首脳が共有していると主張した。

 米中首脳会談は予定より1時間前早く始まった。2日間にわたったG20首脳会議に付随して行われた会談ではあったが、さまざまな点でこの週末のメインイベントだった。

 ホワイトハウス(White House)は、両首脳に随行して米中首脳会談に出席した両国の代表団計20人の名前を公表した。米国側には、タカ派のピーター・ナバロ(Peter Navarro)大統領顧問の名もあった。二枚舌を使うと中国指導部を激しく批判してきたナバロ氏の出席は予期せぬものだった。

 トランプ大統領の外交交渉にはよくあることだが、交渉の成否を決める上で最も重要な要因は習主席との相性だと考えているようだった。トランプ大統領は9月、「彼はもう私の友人ではないかもしれないが、彼は私に配慮してくれると思う」と述べていた。しかし今回は、米中合意が可能だと考える「一番の理由」は自身と習主席の絆だと述べ、9月よりも楽観的な見方を示した。(c)AFP/Sebastian Smith