【12月1日 AFP】アルペンスキー女子のリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)が30日、来年にカナダ・レイクルイーズ(Lake Louise)で行われるW杯に出場するため、現役引退を延期する意向を示した。先日の練習で負傷した同選手は、今週末に予定されていた今季のW杯初戦を欠場していた。

 ボンは先月、今シーズンが終了する来年3月で競技生活から退くことを表明していた。しかし、同日ユーチューブ(YouTube)に動画を投稿し、2004年の初優勝以来、W杯通算18勝を挙げている相性の良いレイクルイーズでもう一度滑りたいという気持ちを明かした。

「現時点で戻ってくる必要があると考えている」「これ以上は身体的に無理だと思い、もう競技には戻らないと何度も話してきたことは分かっているけれど、同時にレイクルイーズでのレースを楽しみにしていた」

 コロラド州コッパーマウンテン(Copper Mountain)で行われた前週の練習で転倒し、膝の靱帯(じんたい)と骨を損傷したほか、関節が過度に伸びてしまったというボンは、復帰まで数週間かかる見通しであると話しており、今月にスイスとフランスで行われる滑降とスーパー大回転も欠場する可能性が高いとみられている。

 今回の負傷によってボンは、目標に掲げているインゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark)氏のW杯史上最多86勝を超えることが難しい状況になっている。

 スウェーデンの伝説的選手であるステンマルク氏の記録まで、あと4勝に迫るW杯通算82勝をマークしているボンは、「W杯の最多勝利数を破るかどうかとか、今年中に更新できるかといったことは関係ない」「そういったことは、もう一度レイクルイーズで滑りたいという気持ちとは無関係。私にとって、レイクルイーズはいつだって自分の居場所だから」と語った。(c)AFP