【11月30日 AFP】アフリカ中部チャド湖(Lake Chad)周辺のチャド、ナイジェリア、ニジェール、カメルーンの計4か国の首脳は29日、最近同地域で激化しているイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の攻撃に対抗するためには国際的な支援が必要だと訴えた。

 チャドのイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)大統領は、ナイジェリアのムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領、ニジェールのマハマドゥ・イスフ(Mahamadou Issoufou)大統領、カメルーンのフィレモン・ヤン(Philemon Yang)首相を招き、密室会談を行った。

 4か国の首脳は会談後の声明で「過激派組織の襲撃が急増していることを憂慮するとともに、これまでのボコ・ハラム対策を変更することが極めて不可欠だと感じている」と表明。

 4か国はチャド湖周辺域の水資源や自然資源の利用の他、ボコ・ハラムに対する戦略を協議する政府間組織「チャド湖流域委員会(Lake Chad Basin Commission)」に属している。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は今月15日から21日にかけて、ナイジェリアとチャドで5回の作戦を展開し、118人を殺害したとする犯行声明を発表。

 一方、ISの支援を受けるボコ・ハラムは18日、ニジェール国境に近いナイジェリアのメテレ(Metele)村で軍施設を襲撃し、少なくとも43人を殺害。27日にも、チャド湖に近い別の村でナイジェリア軍施設を攻撃し、兵士3人を殺害した。地元住人によれば、ボコ・ハラムのトラックには対空砲が積まれていたという。(c)AFP