【11月30日 AFP】カナダ統計局(Statistics Canada)は29日、2017年のカナダのヘイトクライム(憎悪犯罪)通報件数が、前年比47%の大幅な増加を示したと明らかにした。ほとんどがイスラム教徒、ユダヤ教徒、黒人を標的にしたものだという。

 同局によれば、2017年に警察に通報があったヘイトクライムは前年比664件増の2073件。増加分の大半が、オンタリオ(Ontario)州、ケベック(Quebec)両州での落書き・破壊行為、憎悪の扇動、暴行、脅迫だった。

 動機別では人種・民族が878件(32%増)、宗教が842件(83%増)、性的指向が204件(16%増)だった。

 憎悪の対象別ではイスラム教徒に対するものが349件(151%増)と特に大きく増えた。ケベック州では今年、外国人嫌悪を動機として若い男がモスク(イスラム礼拝所)で礼拝者6人を殺害する事件が発生している。その他ユダヤ人に対するものが360件(63%増)、黒人に対するものが321件(50%増)だった。

 2017年の同国の犯罪総数(高速道路交通法違反を除く)は190万件で、ヘイトクライムの割合は0.1%にとどまっている。近年カナダのヘイトクライムは確実に増えていたが、これまでその増加幅は小さかった。(c)AFP