【11月30日 AFP】イスラエルは29日、シリアの首都ダマスカス近郊と同国南部の複数の地域を空爆した。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)はこれに先立ち、軍事筋の話として、ダマスカス南郊のキスワ(Kisweh)上空で防空システムが複数の「敵性目標」を撃墜したと伝えていた。

 観測筋によれば、首都南郊は過去にもイスラエルによるものとされる空爆を受けたことがあり、この際、イラン革命防衛隊(Revolutionary Guards)隊員や親イランのイスラム教シーア派(Shiite)民兵組織の戦闘員らが死亡した。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、キスワには「レバノンの(シーア派原理主義組織)ヒズボラ(Hezbollah)とイラン部隊の武器庫」があると述べている。

 イスラエルはこれまで、イランに属する標的への攻撃と称し、隣国シリアに数百回の空爆を実施してきた。

 シリアの防空システムは9月17日、北西部ラタキア(Latakia)県の弾薬庫を標的としたイスラエルのミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体を迎撃したが、誤ってロシア軍機を撃墜。ロシア兵15人が死亡した。

 ラフマン代表によると、シリアの防空システムが稼働したのは、この時以来初めて。(c)AFP