【11月30日 AFP】キューバの首都ハバナに駐在するカナダや米国の外交官が2016年から相次ぎ謎の脳損傷を負った問題で、新たにカナダの外交官1人が同様の脳損傷の診断を受けたことが分かった。匿名のカナダ政府高官が29日、報道陣に明らかにした。

 この外交官が発症したことは「2018年の夏の初め」に分かり、これにより同様の症状が出たカナダの外交当局者とその親族は13人になった。

 匿名のカナダ政府高官は、カナダは外交使節のキューバ駐在について見直しを始めていると述べ、詳細は明らかにしなかったものの、「ハバナに駐在するわが国の外交官の健康と安全を守る上で、あらゆる選択があり得る」とした。

 カナダと米国の当局は当初、何らかの音響兵器による攻撃があったとみていたが、カナダ政府は後に、その可能性は「考えにくい」と結論付けた。米国の医師や当局者らは「新たな種類の後天的脳損傷の可能性」を指摘。この説は、米国外交官21人の治療に当たった米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の医療専門家らが2月、米国医師会雑誌(JAMA)で発表したもので、カナダもこの説を受け入れた。(c)AFP