【11月29日 AFP】ホテルのシャワーに、リアルタイムで使用電力量を知らせるメーターを取り付けると、宿泊客のシャワーの電力使用量が大幅に削減されることが、19日に発表された研究で明らかになった。

 エネルギー関連専門誌「Nature Energy」に掲載された実験では、スイスのホテル6軒のシャワーにスマートメーターを取り付け計測した。この結果、金銭的な節約だけが、電力の使用量を左右する要素ではないことが分かった。

 研究に携わったスイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH Zurich)のベレナ・ティーフェンベック(Verena Tiefenbeck)氏はAFPの取材に対し、「リアルタイムフィードバック技術で、人々の行動に変化を促せる。金銭的な動機が無くても、大幅にエネルギーを節約できることが分かった」と述べた。

 延べ2万回近いシャワー使用のうち、メーターが取り付けられた部屋の宿泊客は、メーターが取り付けられていない客室の宿泊客に比べ、電気使用量が平均11.4%少なかった。このメーターは、シャワーの水を温め、給湯する際の電力量をキロワット時で表示する仕組みになっている。

 ティーフェンベック氏は、電力使用量を示すメーターは、宿泊客に環境保護のため、ホテルの浴室などでタオルの再利用を促すために置かれているカードと同じような効果があると指摘する。「このようなカードは、ホテルが環境問題に取り組んでいるという姿勢を示すことができ、宿泊客は金銭的な恩恵は受けないものの協力する行動を取る」という。

 さらに「スマートシャワーの場合、実際に節約できる電力量を数値化できるのが特徴だ」と同氏は述べた。(c)AFP