【11月25日 AFP】絶滅危惧種に指定されている世界最大のトカゲ、コモドオオトカゲをインドネシアの自然生息地で見物しようと思ったら、とんでもない金額を請求されることになるかもしれない。

 コモドオオトカゲが生息している東ヌサトゥンガラ(East Nusa Tenggara)州のフィクトル・ブンティル・ライスコダット(Viktor Bungtilu Laiskodat)知事は今週、大学職員らを前に行った演説で、コモド国立公園(Komodo National Park)の入園料を500ドル(約5万6000円)に値上げする案を披露した。現在の外国人観光客向け入園料の約50倍に相当する金額だ。実現すれば、うなるほどのお金を持った観光客しかコモドオオトカゲを見ることはできなくなる。

 ライスコダット知事は、コモドオオトカゲは「希少な存在だが残念ながらお金にならない」として、「(コモドオオトカゲの見物は)裕福な人々に限るべきだ。お金がないならコモド国立公園を訪れるべきではない。ここは、特別な人々向けのサービスを提供している場所だからだ」と述べた。

 同知事は、コモドオオトカゲの生息地付近に立ち入る観光船には5万ドル(約560万円)の利用料を請求することを提案しており、国立公園を管轄する中央政府と話し合ってみるとの考えも明らかにした。

 AFPは東ヌサトゥンガラ州政府とインドネシア環境省に取材を試みたが、回答は得られなかった。

 インドネシアの政治家は、ほぼ実現不可能な案を発表することが多く、これまでにも、国家麻薬取締庁の元長官が、受刑者の脱獄を防ぐために刑務所の周囲に巡らせた堀に大量のピラニアとクロコダイルを放す計画を提案したことがある。2010年12月2~3日撮影。(c)AFP