【11月25日 AFP】シリア東部で抵抗を続けるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が反撃に乗り出し、2日間でクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の戦闘員少なくとも47人を殺害した。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が24日、明らかにした。

 米国が主導する有志連合から支援を受けるSDFは、イラクと国境を接するシリア東部デリゾール(Deir Ezzor)県で、ISの残党の掃討作戦を展開している。

 同監視団によると、ISは「3か所別個に攻撃」を仕掛けた。ISの攻撃目標はアルバフラ(Al-Bahra)村とガラニジェ(Gharanij)村、およびタナク(Al-Tanak)油田近隣地域だった。タナク油田は操業中だが、SDFの軍事拠点としても使用されている。

 SDFの報道官は、上記3か所に対し、ISによる「一連の攻撃」があったと認め、有志連合による空からの支援を受けたクルド人主体の地上部隊が終日にわたり戦闘を繰り広げたと明らかにした。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、SDF側は24日だけで29人が死亡。23日からの2日間で少なくとも47人が戦死した。IS側はこの間、地上での戦闘や空爆などで39人が死亡したという。

 IS側もメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」を通じて声明を出し、アルバフラとガラニジェ付近で攻撃を仕掛けたと認めた。

 シリアでは、ISの戦闘員の大半がデリゾール県の一角で包囲されているが、対イラク国境に広がるバディア砂漠(Badia Desert)にも一定の勢力が存在している。(c)AFP