【11月24日 AFP】スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は23日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に関し、スペイン領に囲まれた英国の飛び地ジブラルタル(Gibraltar)をめぐる問題がまず解決されない限り、離脱協定案署名のためのEU首脳会議は「ほぼ確実になくなる」と警告した。

 スペイン政府はブレグジット以降のEU・ジブラルタル関係をめぐる合意への拒否権を保証するよう求めており、それが認められなければ離脱協定を破談にすると警告している。

 同首相は訪問先のキューバで行った記者会見で、「合意がなければ、欧州理事会(European Council、EU首脳会議)はほぼ確実になくなる」と述べた。

 スペインは、ジブラルタルに適用される英・EU間の今後のあらゆる合意について、最初に英・スペインによる2国間交渉を行ってからでなければ署名できないとする公約を要求。これが実現すれば、EU・ジブラルタル関係をめぐる実質的な拒否権がスペインに与えられることになる。

 スペイン当局者らはサンチェス首相の発言に先立ち、ベルギーのブリュッセルで、要求が受け入れられなければ同首相は首脳会議に出席しない可能性があると述べていた。首相自身は会議の欠席について言明を避けたが、現在の「保証は十分ではないため、スペインが離脱協定を拒否する可能性は残っている」とした。(c)AFP