【11月22日 AFP】F3マカオGP(2018 Macau Grand Prix)決勝で発生した17歳の女性ドライバーの恐ろしい大クラッシュについて、大会の安全基準に疑問が持ち上がる中、チーム代表はコースが原因ではないと話している。

 18日のF3決勝では、ファン・アメルスフォールト・レーシング(Van Amersfoort Racing)のソフィア・フローシュ(Sophia Floersch)が安全バリアーも飛び越え、高速でコース外に投げ出されて脊椎を損傷し、他に4人がけがをした。

 それでも、チーム代表のフリット・ファン・アメルスフォールト(Frits Van Amersfoort)氏は、サーキット側に非はないと考えており、モータースポーツ専門サイトのMotorsport.comに対して「事故がマカオと関連があるとは思わない」と、他のコースでも起こり得た事故だとの見方を示した。

「われわれは(フランスの)ポー(Pau)のレースにも出たし、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)でもいろいろな市街地サーキットでレースが行われている。マカオは特別なコースで、それは周知の事実だ」「矛盾しているのは、誰もがコースの危険性を知りながら、それでもほとんどのドライバーが、マカオは世界で最も美しいコースだと話している点だ。何とも奇妙に思えるがね」

 マカオGPは、過去にはアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏やミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏といったF1の名ドライバーもレースを行ったことがある。

 1周6.2キロメートルの市街地コース、ギア・サーキット(Guia Circuit)の特徴は、最高速度が時速275キロにも達する複数のロングストレートと、見通しの悪い急カーブの組み合わせで、またその常で道幅が狭く、車を逃がす場所がほとんどないため、選手にはミスのないドライビングが求められる。

 サーキットでは、近年モーターサイクル部門などで3人が命を落としている。しかし、国際自動車連盟(FIA)のレースディレクターで、今回の事故の調査を担当しているチャーリー・ホワイティング(Charlie Whiting)氏も、サーキットに問題があったわけではないと話している。

 ホワイティング氏はAFPに対して「マカオは危険なコースではない。市街地サーキットでは一般に事故率が高くなる傾向があるが、ここが危険だと言える証拠はない」と話し、フローシュが車のコントロールを失った「きっかけ」については判明しているものの、事故原因について話すのは時期尚早だと続けた。

「マシンが壁にぶつかるとしても、通常は非常に低い角度で、マシンとドライバーにかかるのは下向きの力だ」「ガードレール、クラッシュ用のバリアー、金網の柵はどれもこの数年で段階的に刷新されていて、多くの部分で大きな改良が施されている」 (c)AFP