【11月21日 AFP】中国の活動家や政府を批判する人々は長年、ツイッター(Twitter)など海外のソーシャルメディアを使って、国内フォーラムでは検閲されそうなテーマを論じてきた。どれだけ当局からブロックされようとも、仮想プライベートネットワーク(VPN)を巧みに利用し、中国当局の監視や検閲、外国サイトへのアクセス制限を迂回(うかい)してきたのだ。

 しかし中国当局はここ1年、ツイッターユーザーの取り締まりをひそかに進めている。中国国内の活動家やユーザーらからは、政治的な内容のツイートを削除するよう警察から圧力がかかっているとの声も聞かれるようになった。

 中国の人権問題を論じるサイト「チャイナ・チェンジ(China Change)」の創設者、曹雅学(Yaxue Cao)氏はこのほど、昨年12月に国家転覆罪で実刑8年の有罪判決を受けた中国人活動家、吴淦(Wu Gan)氏のツイッターアカウントが削除されたことを報告した。吴氏が数年にわたって投稿してきた3万を超える政治批判や論評が突如として消えたのだという。

 AFPの取材に匿名で応じたあるツイッター・ユーザーは、中国共産党を批判するツイートを投稿して警察に一晩拘束されたと語った。また拘束中には、ログイン情報の提出を半ば強要され、目の前で自らのツイートを次々と削除されたことも明らかにした。「何の罪の疑いをかけられているのか分からないし、法的にきちんとした手続きもないので恐ろしい。脅されたら従うしかない」

 このユーザーはさらに「反省文」も書かされ、以降のツイッター使用についても警告を受けたという。この件についてツイッター社に取材を申し込んだが、同社からのコメントはまだない。

 中国当局による取り締まりは、VPN全体を対象にしているわけではない。国内外の企業活動にもVPNは必要だからだ。

 だが、中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は先週、「政治的に危険な」情報やうわさを広めているとして、微信(ウィーチャット、WeChat)や微博(ウェイボー、Weibo)といった中国版SNSのアカウント9800件を「一掃した」ことを発表した。