【12月11日 AFP】女子ゴルフ、元世界ランキング1位のリディア・コー(Lydia Ko、ニュージーランド)は、アマチュア時代の15歳で2012年のカナディアン女子オープン(Canadian Pacific Women's Open)を制し、LPGAツアーの最年少優勝者として世界のスポーツ界を席巻した。

 しかし、中国・上海で10月に行われたビュイックLPGA(2018 Buick LPGA Shanghai)で米国のダニエル・カン(Danielle Kang)に2打差の2位タイに入った際、それがコーだと現地の観客が気づかなかったとしても無理はないかもしれない。

 現在21歳になったコーは、かなり前にトレードマークの眼鏡を外してコンタクトレンズに代えており、最近では髪をブロンドに染めたほか、体重を落としたことも認めている。こうして新しい姿になったのは、過去を打ち破ろうとする試みの一つなのだろうか?

 物腰の柔らかいコーはAFPの取材に対して、「全米女子プロゴルフ協会(LPGA)の年間最優秀選手に選出された時や、あれもこれもできたのにと過去の自分と比べ続けていたら、物事を難しくしてしまう」とすると、「『どうしよう。前はできたのに、今はあの時のレベルではない』とか言うのではなく、ただ今の自分にできる最大限のプレーをすること、そうした考え方の方が良いと思う」と話した。

 カナダで衝撃的な勝利を飾ったのをきっかけに、コーは快進撃を続け、男女を通じてゴルフ史上最年少の17歳で世界ランク1位に上り詰めた。2014年には米誌タイム(Time)の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、2015年と2016年にはメジャー大会を制覇。リオデジャネイロ五輪では銀メダルにも輝いた。

 ところが、そこから低迷期に突入したコーは、2017年シーズンは2014年から参戦している米ツアーで初めて優勝なしに終わり、2度にわたってコーチやキャディーを代えたが、今年4月にはLPGAメディヒール選手権(2018 LPGA MEDIHEAL Championship)を制し、不毛の時期に終止符を打った。

 ビュイックLPGAに世界ランク17位で臨んだコーは、毎年女子ゴルフのレベルが上がっていると実感しており、「10代の頃に成し遂げたことは幸運だった」とすると、「時として、人は過去にとらわれすぎたり、目の前のことを心配しすぎたりして、我を忘れてしまうことがある」「私はとにかく今のことに集中しないといけない」と強調した。