【11月16日 AFP】米大リーグ(MLB)は15日、2018年シーズンの最優秀選手(MVP)を発表し、ア・リーグはボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)のムーキー・ベッツ(Mookie Betts)、ナ・リーグはミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)のクリスチアン・イエリチ(Christian Yelich)が、それぞれ満票に近い支持を得て選出された。

 レッドソックスがレギュラーシーズンで球団記録となる合計108勝をマークし、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)とのワールドシリーズを制して最近の15年間で4度目のタイトル獲得を果たすのに貢献したベッツは、その夢のようなシーズンを最高の形で締めくくった。

 大リーグでのフルシーズン4年目を迎えていたベッツは、両リーグトップの打率.346、129得点、長打率.640に加え、二塁打47本、本塁打32本、盗塁30回の好成績を記録。レッドソックスの選手として両リーグを通じて打率と長打率の2冠を達成したのは、往年の名選手であるテッド・ウィリアムズ (Ted Williams)氏が1957年に成し遂げて以来の快挙となった。

 今シーズンは通算3度目のゴールドグラブ賞(Gold Glove)にも輝いたベッツは、外野手として5本の補殺を記録するなど、守備防御点(DRS)でも4位タイの20点を挙げて守備でも活躍。全米野球担当記者協会(BBWAA)30人のうち28人から1位票を獲得し、ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)のスター選手で、2014年と2016年のMVP受賞者であるマイク・トラウト(Mike Trout)やクリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)のホセ・ラミレス(Jose Ramirez)らを抑えての受賞となった。

 一方のイエリチは、ブルワーズがナ・リーグ最多の96勝を飾り、2011年以来のリーグ優勝決定シリーズ進出を果たすのに大いに貢献し、30人中29人の1位票を得てシカゴ・カブス(Chicago Cubs)の二塁手ハビアー・バエズ(Javier Baez)やコロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)の三塁手ノーラン・アレナド(Nolan Arenado)らを上回った。

 ブルワーズがドジャースに敗れてリーグ優勝を逃すという形でシーズンを終えたイエリチは、すでにナ・リーグの首位打者としてシーズンで最も活躍した打者に贈られるハンク・アーロン賞(Hank Aaron Award)も獲得。マイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)からトレードで加入した同選手は、ブルワーズをナ・リーグ中地区制覇にまで押し上げた。

 イエリチはオールスターブレーク以降、ここ14年間でトップとなる長打率.770を記録しており、これは同2位の成績をマークしたナ・リーグ新人王に選出されたアトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)のロナルド・アクーニャJr.(Ronald Acuna Jr.)を.145上回るものとなっている。

 今シーズンのイエリチは、史上5人目となる1シーズン2度のサイクルヒットという快挙も成し遂げているほか、打率.326でブルワーズ史上初の首位打者となリ、あと本塁打2本と打点1を記録していれば、ナ・リーグの打撃部門では81年ぶりの三冠王となっていた。(c)AFP