【11月14日 AFP】冬の訪れとともに先月から猛烈な大気汚染に見舞われているインドの首都ニューデリーに、人の肺をかたどった巨大なインスタレーション作品が登場した。

 サー・ガンガ・ラム(Sir Ganga Ram)総合病院の前に今月3日に設置されたこの巨大な肺には、大気中の微粒子を強力に吸い取るフィルターが装着されている。設置当初は白かったが、わずか10日で真っ黒になった。

 大気汚染の危険性を訴える活動をしている肺外科医のアルビンド・クマル(Arvind Kumar)さんは「最も目を見張ったのは、この肺が黒くなったスピードだ。怖くなるほどだ」と語った。

 冬の冷たい空気が汚染物質を地表近くにとどめてしまい、微小粒子状物質(PM2.5)の濃度は危険な水準に上がっている。デリーの米大使館が測定した13日のPM2.5の濃度は263マイクログラムで、安全基準の10倍を超えた。(c)AFP