【11月13日 AFP】サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコのサウジ総領事館で殺害された事件で、ジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)仏外相がトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は「政治ゲーム」を仕掛けているとコメントし、トルコ当局が激しく反発している。

 エルドアン大統領は10日、カショギ氏の殺害に関する音声記録をサウジアラビア、米国、フランス、英国などに提供したことを明らかにしているが、具体的な音声の詳細には触れなかった。

 これについてルドリアン氏は12日、仏国営テレビ「フランス2(France 2)」とのインタビューで、エルドアン氏はうそをついていると思うかとの問いに、「エルドアン氏はこの状況下で政治ゲームを仕掛けている」と答えた。

 だが、トルコ当局はこのコメントに激怒。大統領府の報道官は「大統領が政治ゲームをしているとの言いがかりは許し難い」との書簡による声明をAFPに送付。「トルコの強い意志と努力がなければ、(カショギ氏の)事件は隠ぺいされたままだったということを、忘れてはいけない」と強調した。

 さらに厳しい反応を示したのが、トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相だ。チャブシオール氏はルドリアン氏の発言を「無礼極まりない」「外相として実直さに欠ける」「権限を逸脱している」などと批判した。

 仏外務省はトルコ側の批判を受け、ルドリアン氏の発言には「誤解」があったとして、トルコ側から提供された情報で「すべての真実」が明らかになるわけではないと弁明した。(c)AFP/Fulya OZERKAN