【10月31日 AFP】フランスの公衆衛生当局は30日、腕に先天異常がある状態で2000~14年に生まれた新生児が1県で新たに11人見つかったと発表した。仏当局は先週、今回公表された県を含む3地方で2007年以降、同様の先天異常がある新生児14人が生まれていたと発表していた。

 アニエス・ビュザン(Agnes Buzyn)保健相は先週、2007年以降に腕に異常のある状態で生まれた新生児14人について調査を開始したと発表していた。

 このうち半数の7人がスイス国境に近いアン(Ain)県で2009~14年に生まれ、4人が西岸部のブルターニュ(Brittany)地域圏で2011~13年に、3人がブルターニュ地域圏の南のロワールアトランティク(Loire-Atlantique)県で2007~08年に生まれていた。

 30日に新たに発表された11人は2000~14年のアン県の病院の記録から判明した。

 今月4日付の報道では、仏公衆衛生当局の話として、この先天異常の原因として考えられる物質への「共通の暴露」は見つかっておらず、アン県で生まれた腕に障害のある新生児の数は全国平均を上回ってはいないが、ブルターニュとロワールアトランティクの人数は統計的にみて「多すぎる」と伝えられていた。

 ビュザン保健相は先週、現地ニュースチャンネルLCIに対し、この現象を解明するため医療関係者に環境専門家も加わって症例の調査に当たると話していた。

 これまでの研究で、妊婦が何らかの化学物質や薬剤にさらされた場合に、新生児の先天異常のリスクが上昇することが示されている。1950~60年代には、四肢に先天異常がある子どもが世界各地で数千人生まれた。これは妊婦のつわりを緩和するために処方された薬剤「サリドマイド」の服用に起因するとされ、サリドマイドは1960年代に禁止された。(c)AFP