【10月29日 AFP】世界ロードレース選手権(WGP 2018)第17戦のオーストラリアGPは28日、MotoGPクラスの決勝が行われ、モビスター・ヤマハ(Movistar Yamaha)のマーベリック・ビニャーレス(Maverick Vinales、スペイン)が完勝で大会を制した一方、年間優勝を決めたばかりのレプソル・ホンダ(Repsol Honda)のマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)は高速で衝突されてリタイアに終わった。

 2番手からスタートしたビニャーレスは、棄権したマルケスに代わって先頭に立つと、そのままチーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のアンドレア・イアンノーネ(Andrea Ianonne、イタリア)を抑えてチェッカーフラッグを受けた。ビニャーレスは今季初勝利、ヤマハにとっては25戦ぶりの勝利となった。

 ビニャーレスは「最高の気分だ。勝てると思っていなかったが、きょうはバイクが完璧だった。すごく大きな勝利だよ。特にオーストラリアは大好きな場所だからね」とコメントした。

「このサーキットはすごく自分に合っているし、それが少し普段以上の力を出せた理由かもしれない」「今季は難しいシーズンだったし、個人としても、ヤマハとしても、来年へのモチベーションにするための勝利が必要だった」

 ビニャーレスが喜ぶ一方で、1週間前の日本GPで5回目のMotoGPクラス制覇を達成したマルケスは、残念な結果に終わった。マルケスは6周目で、時速250キロで走行する中、モンスター・ヤマハ・テック3(Monster Yamaha Tech3)のヨハン・ザルコ(Johann Zarco、フランス)に後ろから接触された。

 幸いにも両選手にけがはなく、グラベルを滑っていったザルコは親指を立てて無事をアピール。マルケスはなんとか落車を免れたがマシン後部が壊れたほか、さらにサスペンションも損傷していたようで、リタイアを強いられた。

 2015年と2017年に同GPを制しているマルケスだが、奇妙なことに、日本GPで年間優勝を決めた年(2014年、2016年、2018年)は、必ずオーストラリアGPで完走を逃している。

 3連勝から今季初となるリタイアを強いられたマルケスだが、ザルコを責めるつもりはなく、ピットで「運が良かったと感じている。不満はないよ。レース中の事故なんだから」「一番重要なのは二人とも無事だったことだ。幸運なことに先週チャンピオンを確定させていたが、またこの大会でフィニッシュできなかったのは残念だ」とコメントした。

 ドゥカティ(Ducati Team)のアンドレア・ドビツィオーゾ(Andrea Dovizioso、イタリア)が3位に入り、6位にとどまったヤマハのバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)とのポイント差を広げて年間2位の座をさらに強固なものにした。(c)AFP/Martin PARRY