【10月20日 AFP】中米グアテマラの対メキシコ国境で19日、米国を目指して北上を続けている数千人の移民集団がメキシコへ続く橋を渡ろうと殺到したものの、警官隊に押し返され、「キャラバン」と通称される一団の動きが、少なくとも一時的に止められた。

 主にホンジュラスからやって来た移民集団は警察が築いた数々の非常線やバリケードを突破し、19日にグアテマラ西部とメキシコ南部が接する国境を流れるスチアテ川(Suchiate River)に到達。スチアテ川に架かる橋の突き当たりまで来たところで警官隊数百人に向かって石などを投げ始め、警官隊側がゴム弾や催涙弾で応酬。移民や連邦警察官、ジャーナリストらに複数の負傷者が出た。

「私たちは暴力から逃げてきたのに、ここに着いてみたらもっと攻撃されるだけだった」と嘆く、乳児を連れた移民女性(28)はAFPに対し、「何が起きたのかわからない。穏便に橋を渡るつもりでいたら突然、石や催涙弾が飛び交っていた」と語った。

 これに対しメキシコ当局は、書類のない移民がメキシコに入国するには一人ずつ難民申請を行う必要があると主張。移民集団のうち女性と子どもたちから少しずつ入国させ、トラックでシェルターへの移送を始めた。

 その一方で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は米国に向かっている集団を強く非難するコメントをツイッター(Twitter)に投稿している。(c)AFP/Jennifer GONZALEZ COVARRUBIAS