【10月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で通算2度の総合優勝を誇るマクラーレン(McLaren)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)が18日、史上最高のF1ドライバーを5人は誰かとの質問に対して、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)を称賛する一方で、フェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)の名前は出さなかった。

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 スペイン出身のアロンソは、今週末に開催される今季第18戦米国GP(United States Grand Prix 2018)を控えた記者会見の席で、勝てるポテンシャルを持っていないマシンであっても、ハミルトンが見事にレースを制して自身の才能を証明してきたと強調した。

「時代が変わっているし選手権にも違いがあるから比較することは難しいけれど、ルイスが通算5度目の世界制覇を成し遂げて(ファン・マヌエル・)ファンジオ(Juan-Manuel Fangio)氏と並んだら、それは素晴らしい偉業だ」

「この時代において一人(のドライバー)を選ぶとしたら、自分は喜んでルイスの名前を挙げる。彼は才能を発揮して結果を出してきた。マシンが圧倒的に強いときはもちろん、選手権に勝てる性能が十分でなくても、彼はパフォーマンスで自分の才能を示している」「それは、現代では見ることが難しい」

 日曜日(21日)の決勝で、ハミルトンは通算4度の総合優勝を誇るベッテルに8ポイント差以上をつければ通算5度目の年間王者が確定するものの、将来の栄光に関する話題に関してはコメントを避けた。

 ハミルトンの素晴らしい才能とスピードを二度も称賛したアロンソに対し、F1参戦1年目の2007年にマクラーレンでチームメートだったハミルトンは、最初の反応として小声で「ありがとう」と答えていた。

 アロンソは続けて史上最高のF1ドライバーとして、年間優勝通算7回のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏、同5回のファンジオ氏、同3回のアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏、同4回のアラン・プロスト(Alain Prost)氏、そしてハミルトンの名前を挙げ、「これが自分にとってのトップ5だ」と話した。

 近くに座っていたレッドブル(Red Bull)のダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)から、自分自身を含めることを問われると、アロンソは「いや。それには及ばない」と答えた。

 一方のハミルトンは、質問に対してファンジオ氏の名前を挙げ、「ファンジオはこのスポーツにとってゴッドファーザーだ」「彼は草創期の偉大な選手の一人だ。自分が数字で彼と肩を並べようとしているなんて信じられない」と答えた。

 さらに、最近のレースでフェラーリがスランプに陥っている中、不運などで結果を残せずに批判を浴びているベッテルについて、自身のインスタグラム(Instagram)で擁護と支持の姿勢を示したことについても、ハミルトンは「自分が同じ立場にいたら、彼らも同じことをすると思う」と説明した。

「ドライバーは全員、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)のメンバーであり、一致団結する必要があると考えている」「お互いへのリスペクトは、もう何年も最高のレベルに達している。それは少なくとも、自分がF1に入ってからずっとそうだ」

「これまで世界王者に計4回君臨したドライバーとして、今年は最も激戦となっていると感じている。トップレベルの競技では、つまずくたびに大きな批判を巻き起こす。これまで自分は何度か批判されてきたけれど、セブ(ベッテル)はいつも本当に敬意を示して自分を支えてくれたから、それと同じことをしたまでだ」 (c)AFP