【10月11日 AFP】シンガポール航空(Singapore Airlines)は11日、シンガポールと米ニューヨークを結ぶ「世界最長の直行便」の運航を5年ぶりに再開した。総距離は1万6700キロ、飛行時間は約19時間に及ぶ。

 使用機体はエアバス(Airbus)の超長距離型機「A350-900ULR」。座席数は161席で、内訳はビジネスクラス67席、プレミアムエコノミー94席となっており、通常のエコノミークラスは提供しない。

 乗員は操縦士2人と副操縦士2人、客室乗務員13人。シンガポール航空によると、フライト中に操縦士2人には最低8時間、他の乗務員には最低4時間の休息が義務付けられている。

 乗客には長旅の慰めとして、機内食に特別な「健康」メニューを提供するほか、たっぷり1200時間(約7週間)分に相当する映画やテレビ番組を用意している。

 ほぼ丸一日を機上で過ごすストレス軽減のため、客室は通常よりも天井を高くし、窓を大きく取り、照明も時差ぼけ防止効果のあるものを採用するなど工夫が凝らされている。

 通常の飛行条件なら飛行時間は18時間45分だが、エアバスによると双発のA350-900ULR型機は同サイズの他の機体と比較して燃費を25%改善しており、20時間以上の継続飛行が可能だ。同機は9月に納入されたばかりで、今回が世界初の就航となる。

 シンガポール航空は以前、4発旅客機のA340-500型機でシンガポール-ニューヨーク路線を運航していたが、原油価格高騰のあおりを受けて2013年に運航を中止していた。11日の路線復活まで、世界最長の直行便は中東カタールの首都ドーハとニュージーランドのオークランド(Auckland)を結ぶカタール航空(Qatar Airways)の路線だった。(c)AFP/Martin ABBUGAO