【10月9日 AFP】赤い屋根の塔の上に立つ十字架、そして建物の入口に鎮座する二つの獅子像──台湾南部・台南(Tainan)市にあるこの建物、台湾のあちこちにある普通の寺院と見間違えそうだが、れっきとしたカトリック教会だ。

 台湾は宗教信仰の自由を保障しており、人口2357万人の70%近くが道教、仏教、中国の民俗宗教を信仰する世界でも有数の寺院密集地だ。

 そして人口のおよそ6%がキリスト教徒であり、うち30万人がカトリックを信仰している。

 台湾には1000以上の教会があるが、台南市の市街地から車で約1時間の塩水区(Yanshui District)にある教会は特にユニークだ。

 静かな通りに面したこの教会は60年以上前にドイツ人宣教師によって建立され、最初は木造のシンプルな作りの建物だった。

 しかし1986年、当時の中国人司祭の指示により、角灯、赤い柱、龍のモチーフといった中国の寺院によく見られる特徴と教会を融合させるという、それまでとは全く異なる視点で再建された。

 教会の現在の司祭は再建の意図について、「地元の雰囲気に溶け込むよう、より中国の様式を取り入れた教会を建てようと考えた」と指摘。「(当時の司祭は)より多くの信者を集めようと思い、この教会を再建した」と語った。(c)AFP/Michelle YUN