【10月3日 AFP】インドネシア・スラウェシ(Sulawesi)島を襲ったマグニチュード(M)7.5の地震と津波は、当局によると3日までに死者が1374人に上った。国連(UN)機関は、困難な状況にある被災者と、不明者の捜索活動を続ける救助隊員の両方に多大な支援が必要だと訴えている。

 現地では浄水や食料が不足し、被災者は喉の渇きや飢えに苦しんでいる。「政府の人も大統領もここに来てくれた。でも、私たちが本当に必要としているのは食べ物と水だ」。被災した男性(48)はAFPにそう切実に語った。

 病院も負傷者であふれかえり、対応が追い付かない状態だ。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、スラウェシ島では地震と津波によって推定6万6000棟の家屋が倒壊もしくは破損。緊急の支援を必要としている人は20万人近くに上り、子どもも大勢含まれる。

 OCHAのイェンス・レルケ(Jens Laerke)広報官はスイス・ジュネーブで2日夜に開いた記者会見で、「現地で支援に当たっている人が感じているのは、一言で言えばもどかしさだ。甚大な被害を受けた恐れがあるのに、たどり着けていない場所がまだたくさんある」と語った。

 インドネシア国家防災庁のウィレム・ランパンギレイ(Willem Rampangilei)長官は、被害が集中したスラウェシ島パル(Palu)で記者団に、死者が1374人に増えたことを明らかにし、依然として113人の行方が分かっていないとも述べた。

 長官は「がれきの下敷きになっている遺体がまだあるが、その数は分かっていない」とし、生存者の発見と救出に優先して取り組んでいると強調した。(c)AFP/ Harry PEARL