【10月1日 AFP】米国選抜と欧州選抜による男子ゴルフの対抗戦、第42回ライダーカップ(The 42nd Ryder Cup)は30日、フランス・パリのル・ゴルフ・ナショナル(Le Golf National)で最終日が行われ、フランチェスコ・モリナリ(Francesco Molinari、イタリア)が新記録をつくった欧州選抜が米国選抜を寄せ付けず、17.5-10.5で2大会ぶりの優勝を飾った。

 10-6でリードして最終日を迎えた欧州選抜は、序盤に米国選抜の反撃に遭ったものの、2か月前に第147回全英オープン(The 147th Open Championship)を制したばかりのモリナリがメジャー5勝のフィル・ミケルソン(Phil Mickelson)を4アンド2で退け、優勝を確定させた。

 今大会が始まるまではライダーカップで6戦全敗だったモリナリだが、今回は欧州選抜で史上初めて5戦全勝を挙げた選手となった。これは米国選抜と合わせても、過去41大会で1967年大会のアーノルド・パーマー(Arnold Palmer)氏とガードナー・ディッキンソン(Gardner Dickinson)氏、1979年大会のラリー・ネルソン(Larry Nelson)氏の3人しか達成していない快挙となる。

 モリナリは「最高の気分だけど、うれしいのは僕のことじゃない。そろそろ自分がチームを引っ張る番だと思っていたけれど、個人じゃなくてチームで勝てたことがうれしい」とコメントした。

 また、欧州選抜は全選手が少なくとも1勝を挙げた。トーマス・ビヨーン(Thomas Bjorn、デンマーク)主将が「選手たちの姿勢が信じられないほど素晴らしかった。まずい流れだと思うタイミングもあったが、一度勢いがついたら後はあっという間だった」と話した通り、最終的には18.5-9.5で優勝した2006年大会以来の圧勝となった。

 モリナリの他に、セルヒオ・ガルシア(Sergio Garcia、スペイン)も記録をつくった。この半年は苦しんでいた2017年のマスターズ・トーナメント(The Masters Tournament)覇者だが、最終日にリッキー・ファウラー(Rickie Fowler)に2アンド1で勝利したことで、ライダーカップの通算獲得ポイントが25.5点に伸び、これまでの最多記録だったニック・ファルド(Nick Faldo)の25ポイントを上回った。

 一方、大会前の下馬評では優勢とみられていた米国は、最終日に劇的な逆転優勝を飾ることはできず、前週に5年ぶりの米ツアー勝利を挙げ、一番の注目選手に挙げられていたタイガー・ウッズ(Tiger Woods)も4戦全敗だった。

 ジム・フューリック(Jim Furyk)主将は「相手のキャプテンの方が私よりも良い仕事をしたし、選手も相手の方が良いプレーをした。脱帽だ」とコメントした。

 米国選抜は、欧州でのライダーカップは1993年を最後に勝てていない。通算の対戦成績では26勝14敗2分で米国選抜が勝ち越しているが、1977年大会を境に英国とアイルランドの選抜から欧州選抜にチームが拡大して以降は、欧州選抜が11勝8敗1分で上回っており、ここ12大会は9回優勝を飾っている。(c)AFP/Jim SLATER